お茶を飲むとホッとする

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新茶や美味しいお茶を飲むと、その味だけでなく、香りや色からもホッとします。この現象は、お茶に含まれる成分で説明できるようになってきました。緑茶特有のアミノ酸であるテアニンは、脳で重要な働きをしているグルタミン酸に化学構造が似ています。そのため、テアニンも脳で何か作用をしているのではないかと考えられます。いくつかの動物実験の結果動物に与えたテアニンは、脳に取り込まれ、脳内の神経伝達物質に影響を及ぼすことがわかりました。神経伝達物質とは、記憶・学習、情緒、睡眠、食欲など、各種の行動をコントロールしている物質なので、テアニンが脳の動きにも影響を与える可能性を調べるために、いくつかの記憶・学習に関する脳機能の改善が見られました。脳波への影響リラックス効果人に対するテニアンの影響を調べるために、まず脳波を測定しました。その結果、テアニンを摂取してから30分-40分後に、リラックスした状態の時に出るα波の放出頻度が増加しました。そこで、テニアンにはイライラを鎮める効果があると考え、女性特有のイライラ現象である月経前症候群に対するテアニン効果を調べました。PMSの症状のある女性に排卵予定日から月経までの期間、本人にはわからない状態で、テアニンまたは偽薬を飲んでもらった結果精神的な愁訴に対しても、あるいは身体的な愁訴に対してもテニアンは症状を改善しました。昔からお茶を飲むとホッとするねといわれているのはこのことだと言えると思います。現代のようにストレスの多い社会では、リラックスするひとときを持つことは大切であり、高齢化による脳機能の低下を防止する上でも、緑茶は大変に有用な飲料であると思います。