緑茶のビタミンC

ビタミンCは、緑茶にとって重要な生理活性物質の一つである。ビタミンCは、新鮮な野菜、果物、緑茶等に多く含まれるが、一般に熱、アルカリに弱く、酸化酵素によって酸化しやすい、野菜を煮ると、煮沸10分で、通常50%以上が分解されるといわれる。しかし、煮沸により湯の中の空気が追い出されると壊れなくなる。ところで、緑茶の浸出液中のビタミンCは比較的分解しにくい。この理由は、浸出液中のビタミンCは比較的分解しにくい。この理由は浸出液中のエピカテキンガレートやエピガロカテキンガレートがビタミンC安定化の作用があること、逆に鉄、銅イオンは分解促進作用があることが報告されている。また、ビタミンC水溶液から、鉄、銅イオンを完全に除去すると、茶の浸出液以上にビタミンCが安定化するところから、茶の浸出液中のビタミンCが安定であるのは、エステル型カテキンと鉄や銅がお互いに影響を及ぼしあっているためと考えられる。緑茶ドリンクの製造にあたっては、カテキン類が加熱により酸化され褐変するのを制御するため、アスコルビン酸のナトリウム塩が添加されるがこれらの両者に、持ちつもたれつの関係があるのは面白い。